口腔内の病気の見つけ方 / 口腔内の病気の種類 / 主な症例の写真 / 知っておきたい疾患の説明
 
●主な症例の写真_____________
 
■口蓋裂の症例
口蓋裂と軟口蓋裂の併発症例。左は術前、右は術後2週間
3カ月齢の子犬。食事が鼻から出るとのことで来院した子犬。、重度の口蓋裂だったので、3カ月齢まで待って開口部を閉鎖する手術を行いました。
口蓋裂と軟口蓋裂の併発症例。左は術前、右は術後2週間
3カ月齢の子犬。産まれたときからミルクが飲めず、口蓋裂と診断され、3カ月まで待って開口部を閉鎖する手術を行いました。

■不正咬合の症例:乳歯の抜歯
予防矯正の症例1。左は術前、右は術直後
乳犬歯は強固に残存しており、このままだと永久犬歯の咬合(かみ合わせ)が悪くなるので、残存乳歯の抜去を行いました。抜歯後の後咬合状態は良好になりました。
予防矯正の症例2。左は術前、右は術後。
このまま乳犬歯が脱落しないと永久犬歯の不正咬合が起こりますので、晩期残存乳犬歯の抜歯を行いました。術後3週間目ですが、いい咬合状態になりました。

■不正咬合の症例:歯冠短縮術(断髄治療) 
歯冠短縮術の症例.左は治療前、右は治療後。
下顎が上顎に比べ小さく短いために起こった不正咬合で、下顎犬歯が上顎の硬口蓋にあたり傷ができていました。歯冠の一部を切断し上顎に当たらないように短くしました。

■不正咬合の症例:永久歯の抜歯
抑制矯正の症例。左は術前、右は術後。
下顎犬歯の舌側転位で不正咬合のみられる症例に対して、第3切歯を抜歯して、咬合状態が改善が得られました。

■不正咬合の症例:外科的矯正
外科的矯正の症例 1.左は手術前、右は手術後。
右上顎永久犬歯が近心(前方)に萌出して、下顎犬歯と接触している症例。乳犬歯の抜去と共に上顎永久犬歯を遠心(後方)に移動する外科的矯正を行いました。右は手術直後の写真で、咬合の改善がみられます。
外科的矯正症例2.左は手術前、右は手術後。
乳犬歯の晩期残存のため、下顎永久犬歯は舌側に萌出し上顎第3切歯に接触しています。乳犬歯の抜去と共に永久犬歯の外科的矯正を行いました。右は手術直後の写真で咬合の改善がみられます。

■不正咬合の症例:矯正
矯正の症例1:左は矯正前。右は矯正後
左上顎の犬歯が近心(前方)口蓋側(内方)に転位していました。矯正装置を装着し2ヵ月ぐらいで矯正しました。右は矯正後の写真で咬合の改善が見られます。
矯正の症例2.左は矯正前。右は矯正後
右下顎永久犬歯がやや舌側に転位し、不成咬合がみられます。矯正装置を装着し矯正を行いました。右は矯正を開始してから約45日目のものです。
矯正の症例3.左は矯正前。右は矯正後
左上顎犬歯の不正咬合の症例。矯正装置を装着して矯正を行いました。右の写真は矯正開始から約1.5カ月後のものです。

■埋伏歯の症例:外科的矯正
埋伏歯の外科的矯正の症例1.左は術前の口腔内写真。右は手術直後
上顎犬歯が萌出せず盛り上がっているとのことで来院した症例(左)。X線写真で近心上位に転位した埋伏永久犬歯が確認されたため、乳犬歯を抜歯し、外科的矯正を行いました。右は手術直後の写真。
埋伏歯の外科的矯正の症例1ー2.左は2週間後、右は3ヵ月後の写真
左は手術後2週間目の写真で永久犬歯の萌出が少しずつおこり、右は3ヵ月後で正常に近い萌出がみられました。

■埋伏歯の症例:歯肉切除
埋伏歯の歯肉切除の症例1.左は術前、右は手術途中の写真
左は臼歯が萌出しないとのことで来院した症例。左右の上顎第4前臼歯は不完全埋伏の状態でした。上顎第4前臼歯の部分のは歯肉切除を行いました。その後の経過は良好です。

■埋伏歯の症例:嚢胞
埋伏歯の症例2.左は術前、右は手術直後。
左の上顎犬歯が萌出しないとのことで来院した症例。X線検査により、乳犬歯が埋伏しており、その周囲に嚢胞の形成が見られました。埋伏乳犬歯の抜去と歯肉を一部切開し永久犬歯の歯冠が萌出できるように手術を行いました。術後の経過は良好でした。

■歯周病の症例 
歯周病の症例。左は処置前の口腔内の写真、右は歯石除去後の写真。
口が臭く、時々出血し食欲もないとのことで来院した犬の重度の歯周病の症例。全身麻酔下で歯石除去を行い、術後は口臭もなくなり、食欲も出てきました。

・原因
歯周病の原因はプラーク(歯垢)中の細菌で、細菌感染とこれを防御する宿主の免疫反応が複雑に絡み合った結果としておこり、持続的な細菌の侵襲が生体の防御を越えた炎症を誘発したとき、歯周組織を破壊する。
・診断
歯石や歯垢の沈着状態の検査から始まり、どのぐらい歯周組織が侵され散るか調べる歯周ポケットの深さの測定、また、歯の動揺度の検査や、歯根の露出状態の検査を行う。症状が重度の場合はX線検査を行い、歯周病の状態の把握を行う。
・治療
1.歯肉炎:スケーリング+プラークコントロール
2.軽度の歯周炎スケーリング+ルートプレーニング+プラークコントロール
3.中等度から重度の歯周炎
   ・スケーリング(歯石を除去)とともに、ルートプレーニング、あるいは歯周ポケット掻爬     
    (歯肉縁下歯石の除去、ルートプレーニング、歯肉壁の掻爬) を行う。
   ・歯の動揺がひどく保存不可能な歯を抜去する。
   ・歯周ポケットが深い場合は歯肉粘膜フラップを作成して治療することがある。
・予防
治療後はブラッシングなどによるプラークコントロールを行い口腔内を清潔に保つ。

■眼窩下膿瘍の症例 
眼窩下膿瘍・眼窩下瘻の症例。左は膿瘍、右は瘻孔を形成している。
左は目の下がだんだん腫れて色が変わってきたとのことで来院した症例。右は目の下に傷ができて膿み芽でるとのことで来院した症例。右上顎第4前臼歯の異常が原因で起こったもので、悪い歯を抜歯し、その後症状は改善しました。

・原因
外歯瘻は歯や歯の周囲の病気から起こる根尖病巣が原因となり起こる病気で、犬では上顎臼歯の異常から目の下あたりの皮膚が腫れたり、排膿したりすることが多い。この状態は眼窩下瘻、眼窩下膿瘍など他にも色々なよびなで呼ばれているが、いずれも同じような状態を示している。
・症状
発見したときの状態により3つの症状に分けられる。
@顔面の腫れがみられる場合。
A顔面の腫れと発赤など皮膚の色の変化がみられる場合。
B顔面の皮膚に傷ができて排膿が見られる場合。
いずれも痛みがでたり食欲が減退することがおおい。
歯瘻の状態を示す模式図で、犬の左上顎第4前臼歯あたりを示している。
・病態
歯周病や歯の破折などが原因となり、歯髄壊死を起こし、その結果根尖周囲病巣を起こし、それが原因となって、皮膚や粘膜に瘻管ができ、やがて瘻孔を形成し排膿が始まる。原因の除去を行わないと、内科治療を行っても再発を繰り返す。

■口鼻瘻管の症例  
口鼻瘻管の症例。左は口腔内写真、右は鼻孔から鼻汁がでているところ。
青鼻が出て呼吸困難がみられるとのことで来院した症例。重度の歯周病で口から鼻に抜ける通路ができており、沢山の汚れが鼻に詰まっていました。抜歯と清掃で症状は改善しました。
※口鼻瘻管の説明

■破折の症例:修復治療 
破折の症例1.第4前臼歯の破折の症例:左は術前(修復前)、右は術後(修復後)
この症例はヒズメを咬んで左上顎第4前臼歯がかけてしまいましたが、露髄しなかったので修復を行いました。
破折の症例2.右上顎第4前臼歯破折。左は治療前、右は治療後。
右上顎第4前臼歯の平板破折。歯がかけていましたが露髄はしていなかったので修復しました。

破折の症例3.左上顎犬歯の破折。左は治療前、右は治療後
左上顎犬歯の先端部分の破折。右は修復して約1年後の写真で経過は良好です。


      1         2         3         4
保存修復を示した模式図。
1.歯冠歯質の欠損。 
2.窩洞形成をしたところ。
3.間接歯髄覆罩と窩洞の充填をしたところ。 
4.研磨し修復を終了したところ。
保存修復処置の術式は、窩洞形成(切削、形成、修正)、窩洞清掃、歯髄保護、 欠損部の修復、仕上げ・研磨の順で行う。 術前と術後は経過を追ってX線撮影を行い、経過が順調なことを確認しておくことが必要。
 
左は術前のX線写真、右は術後のX線写真。
術前と術後は経過を追ってX線撮影を行い、経過が順調なことを確認しておくことが必要。 矢印が修復部分。



■破折の症例:断髄治療  
破折の症例.左は治療前、右は治療後
交通事故で右上顎犬歯歯冠の咬頭部を破折した症例で、露髄寸前なので、断髄(生活歯髄切断術)処置による治療を行いました。
※破折の説明

■破折の症例:抜髄治療  
破折の症例. 左は術前、右は術後
上顎の歯が割れたとのことで来院した症例。破折した上顎第4前臼歯の抜髄法(神経をとって治療する)による治療を行いました。
※破折の説明

■口腔内腫瘤
口腔内腫瘤の症例1.左は術前、右は術後
歯肉にできた腫瘤の症例。腫瘤を切除し組織検査を行った結果、炎症反応で発生する線維性エプリスでした。非腫瘍性の病変でした。

■口腔内腫瘍
口腔内腫瘤の症例1.左は術前、右は術後
歯肉にできた腫瘤の症例。腫瘤を切除し組織検査を行った結果、炎症反応で発生する線維性エプリスでした。非腫瘍性の病変でした。
口腔内腫瘍の症例2.左は術前、右は術後。
歯肉の部分にできた腫瘍の症例。組織検査では棘細胞性エナメル上皮腫(棘細胞性エプリス)であったため、分類では良性の腫瘍ですが、局所的には悪性の病状があるため、顎骨の一部を切除する広範な摘出手術を行いました。右は手術終了時の写真で、その後再発はなく経過は良好です。
口腔内腫瘍の症例3.左は術前、右は2回目の手術直後。
硬口蓋に腫瘍ができた症例。摘出手術を行い組織検査を行ったところ、悪性腫瘍の繊維肉腫であったため。再度摘出した周囲を更に広く深く摘出する手術を行いました。右は手術直後の写真で、その後再発は見られず経過は良好です。

■歯周病の症例:抜歯
歯周病の症例2。左は処置前の口腔内の写真、右は抜歯後の写真。
口が痛く食事がとれないとのことで来院した猫の歯周病の症例。炎症がひどい部分の抜歯を行いました。術後は炎症が次第にとれて食欲もでてきました。
※歯周病の説明

■歯頚部吸収病巣:修復
歯頚部吸収病巣の症例1.左は治療前、右は治療後
歯に痛みがあるとのことで来院した日本猫。右上顎臼歯に歯頸部吸収病巣(矢印)がみられました。初期の病変なので右の写真のように修復処置(矢印)を行いました。
■歯頚部吸収病巣:抜歯 
歯頚部吸収病巣の症例2.左は治療前、右は治療後
歯に痛みがあるとのことで来院した日本猫。左下顎第3前臼歯の歯冠の色が赤くなっており(矢印)この部分に痛みが見られました。レントゲン検査でかなり進行した歯頚部吸収病巣であることがわかり、抜歯を行いました。

■慢性歯肉口内炎:全臼歯抜歯
慢性歯肉口内炎の症例.左は治療前、右は治療後
口が痛く食事ができないとのことで来院した日本猫。口腔粘膜が重度の炎症を起こしているのがわかります。猫の慢性歯肉口内炎で色々な内科療法では改善が見られず、次第に悪化した症例です。外科的な治療で全ての臼歯の抜歯を行い、その後少しずつ炎症がとれ最終的に内科治療の必要がなくなるまで回復しました。
慢性歯肉口内炎の症例2.左は治療前、右は治療後
食事ができず体重が痩せてきたとのことで来院した日本猫。口腔粘膜が重度の炎症を起こしているのがわかります。猫の慢性歯肉口内炎で色々な内科療法では改善が見られず、ほとんど食事がとれませんでした。外科的な治療で全ての臼歯の抜歯を行い、最終的に内科治療の必要がなくなりました。


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